スマート農業!
画像はGPS機能の付いた田植機。
予め設定しておけば自走して田植えをしてくれると云う。
同様に、自走式のトラクターもあるらしい。
が、それがスマート農業では無かろうよと感じる。
確かに、日本の農機具メーカーの技術進歩は著しい。
農機具大手三社(クボタ、ヤンマー、イセキ)に中小の農機具メーカーさんが作業機器の開発をすすめてきて、微に入り、細にわたり、あらゆる農機具を開発されている。
農家は昔の家族経営でも、機械化が進捗し、大規模になっている。
同時に、単作の農家さんが増えている。
稲作(これは小麦や大豆、蕎麦などを栽培している農家も多い)畑作でも白菜やキャベツはとにかく大規模化が進んでいる。
先にも書いたが、稲作の大規模化は、農機具購入代金の高騰につらなる。
平均的な稲作農家の場合
①耕運用のトラクターも100馬力前後☓3~4台
②田植機(6条から8条植え)最低2台
③消毒用ドローンあるいはヘリ(ドローンは100万円前後?)ヘリは2000万円?
④コンバイン(これも6条から8条?)のコンバイン☓2台
⑤乾燥機(栽培面積により差異はあるようだが)大きなのを数台
⑥籾摺機、色選機
⑦他にも農機具運搬トラック。籾や苗を運搬する軽トラを数台。付帯の機器類
を保有している。当然、農機具用倉庫や乾燥機用の倉庫が100坪前後必要となる。
ざっくり、一億円前後の投資額になる。
大規模野菜農家
近隣の大規模野菜農家は過半が白菜とキャベツ専業と云っても良い。
こちらの農機具類をザックリ見た範囲では?
①苗作りのハウス(規模により違いはあるが、500万円程度)付帯をいれても1000万円
②耕運用のトラクター(こちらも100馬力前後を数台)
③あとは収穫も含め、過半が人力になる。
大規模野菜農家と大規模稲作農家は先にも何度か書いてるが、片や農機具への投資。
片や人件費。
前者は投資額が大きく。後者の課題は、栽培土地の確保と人的資源の確保となる。
畑作は水田と違い、多くは区画整理がしてなくて、畑から畑へと渡り歩くことになる。
(稲作も同様だが、稲作は区画がしっかりしていて、大きなものは1ha前後もある)
観ている範囲では、野菜中心農家は作付と収穫が人手。その間の仕事の配分が必須になる。
稲作、畑作共に、大きな面積では50ha前後になるようだ。
売上高には大きな相違がある。前者は5000万円前後。後者は不明だが、その4~5倍はあろうかと・・・。
そもそも経営とは?
農家といえども事業者。
ゆえに、経営に資するものでなければならない。
スマート農業は、どうも省力化、無人化が先行しているようだ。
ロボットによる収穫作業なんてのもあるようだが、これは随分と先のことになろう。
農機具の自動化もさして経営に好影響を齎すとは思えない。
ならば、スマート農業の本質はどこにあろうか?
昔から云われ続けていることだが、『どんぶり勘定』から抜け出す!その1点かと。
日本のGDPが向上したのは、製造業の技術革新、職場革新に他ならない。
近年(40年ほど前から)その製造業も一部は安い人件費だけを追い求め、韓国⇒中国⇒東南アジア⇒インド、バングラなどへ進出している。
国内に残った製造ラインも、外国人労働者が過半を占め、日本人労働者はラインの管理業務などをするに過ぎない。
日本の製造業の本質は、設計からライン構築、部品購入から出荷まで。
総ての作業で工数管理と品質管理を徹底する仕組みを構築してきたのが戦後の歴史。
それを支えたのは、日本人の特性でもあった、勤勉さと教育制度の充実であったろう。
有名過ぎるTOYOTAかんばん方式は日本の(世界の)製造業を根底から変えた。
が同じ加工製造業の国であるドイツはどうなったか?イギリスやフランス、イタリヤ、米国などの製造業先進国はどうなったか?
見える化と家業と事業
農業といえども事業。
数万人も居る大企業と変わらない事業です。
個人申告、企業申告の違いはあっても事業であることは論ずるまでもありません。
もっとも、必要なのは、手持ちの工数と損益計算に繋がるアプリであろうかと。
農業は、ともすると、天候次第、市場相場次第になりかねませんが、いまこそ、製造業に学び、見える化を実践することが肝要。
それこそがスマート農業!を取り込む第一歩と感じます。
GPS機能付きのトラクターや田植機やコンバインに惑わされず、管理アプリと高速通信WiFiを活用し、遠隔でも管理作業が可能な農業の舞台を構築しなければなりません。
そこには、多くの企業が参入を試み、TRY&Errorを繰り返しています。
実態にあったアプリ開発とWiFiの組み合わせは、とりわけ、施設園芸には劇的な変化と改善を齎してくれます。
三周遅れのTOPランナー
二周も三周も遅れてますが、農業は製造業! とりわけTOYOTAの見える化も含めた方式を取り込む好機が訪れてる!と感じてます。
本来は、JA中央会がその任にあたるべきだが、小泉農林部会長の時代に、中央会は虐めまくられたからね。骨抜きにされたのかしらね?中央会の影が薄らいでいる。
30年前。WEBをつくるのは、HTMLが書けなければ出来ず、通信速度も現在と比べればウサギとカメ。画像一枚だすにも60秒も要した。通信速度が早くなった時代。WEBをつくるのは外注し、100万円も要した。
翻って現在! 有料、無料も含め、パワポの知識があれば自由に作成できる。
スマホの普及は、アプリにも劇的な変化を齎している。
顧客管理クラスのアプリ開発は、30年前には数千万円単位の資金とIBMやNEC、富士通の汎用機が必須だった。
現代はクラウドと称して外部サーバーを使ってもさしたる投資は不要。
アプリ開発もパワポの延長でできるものもあると云う。
現場に必要なアプリ開発が可能になったということになる。
TOYOTAの生産管理、品質管理、経営管理を取り込んだ、現場が必要なアプリ開発が劇的な変化と改善を齎し、それを日常化できるのは高速WiFi網の整備であろうかと。
な~に、無理なら光を導入し、農場内に増幅器を張り巡らせれば、なんとかなろう!
そう、三周遅れだが、TOPランナーの集団に加われる好機が訪れている
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